2019年を振り返って

2019年を振り返ってみると、色々と悩み、忍耐の年でした。

サークル面
サークルは日々のストレス発散と体を動かすために中高続けてきたバレーボールを大学でも続けています。今年度は合宿係という責任ある役職につきましたが、やりがいをもって努められています。最近は忙しくて行ける回数が減りましたが、メンバーにも恵まれ、他系の友達もでき、充実した日々を過ごせました。

学業面
①実験
自分は今、東京工業大学生命理工学系に属しています。生命理工学系では、2年生の1年間を通して基礎実験が各quarter(以下Qと記す)で1つずつの、計4つのテーマ(物化、有機、生化、分生)に分かれて行われます。週2回行われ、各実験毎にレポートが課され、それをこなすだけでかなり忙しかった気がします。妥協したくないからと文献を探したりしてたら、結構時間が持ってかれてましたね。年明けてもまだ続くんですけれども。

②専門科目
東工大は1年末の間は系、所謂学科に属さず、2年になって専門科目を受けます。だから2年になって専門科目を受けていけば、自分の興味が湧く分野も見つかるだろうと思ってました。自分はなんとなく、せっかく工業系の大学に入ったんだから工学系のことがしたいなぁと漠然と考えてました。

しかし、蓋を開けてみれば理学系の内容、しかも生命と名乗っておきながら化学ばかり。もちろん工学応用するためにはベースとなる理論、原理を追究する理学は欠かせません。ましてや生命理工学系の名の通り、理学を扱って当然です。生体反応や生体分子の議論においては、化学反応や化学物質を扱うわけですから、当然化学は避けてとおれません。まあ、土台のないところに家は建つはずがありません。

自分は大変浅はかながら、系に属したらやりたいことがすぐやれると思っていました。そして断っておきますが、理学だから駄目とかそういっているわけではありません。学問は自分の興味で進めていくわけですから。身の周りの現象に興味を持ち、知識を習得しながら原理を追究すること=理学は本当に面白い分野だと思います。実際自分も分子生物学で習った、がんの仕組みや体内での物質輸送の話はとても聞いていて興味深かったです。有機化学においても、知らない反応の原理を理解して反応機構を書けるようになったとき、本当に充実感と達成感を覚えました。そしてそれが身の回りでこう使われているんだと知ったとき、点と点が線で繋がったようで、感銘を受けました。

しかし、生命系で習う物理化学、有機化学は正直化学系や応化、物理系の専門科目の浅い部分をかいつまんだだけ。(それなら理学部でいいよねってなりそう。)本当にこんな感じで一年後に研究室に配属されてやっていけるのか不安でした。まあ、高校生という社会経験のないときからなりたいものを決めるっていうのも今となってはなかなかsevereなのではという気もします。実際今でも将来どんな仕事をしているのかなんて想像もつきません。

研究では、未知のものを追求し原理を解明したり、新たな製品や物質、治療法、low costかつ高収率な物質生産方法を開発する方などに重点がおかれてしまうのが現状です。自分は大学に入る前、社会で役に立てる研究者になりたいと思ってました。ですが、研究で大事なものの根源はそんなことではありません。何が大切なのかというと、面白い感じることとそれに対する好奇心、探求心。これに尽きると、この2年弱東工大で過ごして感じるようになりました。役に立つかどうかなんて成果がでて初めてわかることであり、それを第一目標にしていては研究は絶対続きません。まだ研究室に属してない学生が何いってるんだといわれそうですが、こうして自分の将来について色々と考える日々を過ごしてきました。

あまりこの話をしたことはないのですが、タラレバになってしまうけれども、本当は医学科に行けるなら行き、医者のライセンスを持って医療分野で研究職につきたかったです。しかし自分はセンター試験の国語が苦手だったこと、入試方式が自分にあっていたこと、医学科に近いことができるという点で東工大生命理工学系を第一志望に受験勉強をしていました。入学してみて、理想と現実の違いを感じたこともありますが、医学科では学べない理工学的視点を少しですがもつことができるようになり、今はここでよかったと胸を張って言えます。一緒に授業を受けてくれる友達、問題について議論しあえる友達、愚痴を言い合える友達、一緒に遊んでくれる友達を持てて幸せです。

正直いうべきではないと思っているのですが、最近は正直とても忙しいです。3年後期に行われる研究室配属では、GPT(成績の評価のひとつ)で割り振られます。そのための点数を稼ぎ希望の研究室にいくために、2年後期は単位を多く申請して授業を受けています。専門もどんどん難しくなってますが、やりたいことや知りたいこと、興味深いことも講義で多く出てくるようになったこともあり、なんとか頑張れています。

色々と今後のことや過去のことを考えてしまう一年でした。ですが、家族を始め、友達などたくさんの方のお陰で2019年も無事に過ごすことができました。2020年もどうぞよろしくお願いいたします。1年間ありがとうございました。よいお年を。